「いくら腹が立ったからって、動画ってお前!
動画なんて撮ったら、お前とブレインは、ますます大変なことになるんじゃないか??」
セバスチャンに負けたくないらしいが、明後日はカートとブレインの結婚式だ。
俺とのセックスを撮るなんてバカなこと、承知するわけにはいかない。
なんとか説得して、やめさせなくてはと思った。
いや、別にヤるのをやめたいっていうことではなく、あくまで録画はだめだって意味だ。
「デイヴ。撮っちゃだめだって言うんだったら、デイヴとのセックスは無しだよ。
でも、君とセックスしなくても、僕がブレインやセバスチャンと言い争いになった時は、『いいもん!僕だってデイヴとヤったんだから!』って言うからね!」
カートはすごくビッチな顔でそう言った。
あんなに泣いてたくせに、この変わりよう・・・。まるで女みたいだ・・・と俺は思った。
「でもさ、カート。 もし、動画が流出したらどうするんだ?
お前、今自分がどんな立場かわかってるよな?
ハッキングとかされて、動画サイトに投稿されでもしたらどうするんだよ!」
カートの社会的な立場を持ち出せばカートが折れてくれるんじゃないかと期待したが、そうはいかなかった。
「送受信できないもので撮ってさ、デイブの家に撮ったやつを置いといて。
それならハッキングも流出もないじゃん。
デイヴ、持ってるじゃん!仕事用のいいやつ。
ほら、プロスポーツ選手の動きだって鮮明に撮れるのを。
あれで撮ったらきっと僕たちのもきれいに撮れるよ!」
「そんな目的で買ったんじゃないぞ!!」
俺は怒ったが、カートは勝手に機材が置いてある部屋に向かった。
勝手知ったる他人の家ってやつだ。
「おい!カート!話聞いてるのか?」
俺は叫んだが、カートは俺の言うことなんて無視して、撮影に必要な機材を一式持ってきた。
ただのビッチならこういった機器の扱いは苦手かもしれないが、カートは違う。
歌手、そして俳優として賞をいくつも取ってきただけではなく、作家、脚本家、演出家、プロデューサーとしても活躍し、去年ついに「自分ではやりたくない」と言っていた映画監督という肩書まで手に入れたカート。
脚本から撮影、編集に至るまで、全ての過程をたった一人でやったモノクロの不思議なショートフィルムは、二つの映画祭で賞を取っていた。
カートは、持ち主の俺よりも手際よく録画用機材をセッティングしていった。
ソファーを動かして、ベッドまでの動線を考えたり、カメラの位置やライティングにも気をつかったりと、浮気された腹いせに撮る動画なんかのためにやっているとは思えないほど真剣な顔で生き生きと動くカート。
セットは何の変哲もない俺の部屋だけど、その辺のゲイビデオとは比べ物にならないような素晴らしい作品が撮れそうな気がしてきた。
・・・いやいやいや!!! 何考えてんだ俺!! 撮らせちゃだめだって!!!
「な、カート。いくらなんでもさ、撮るなんてやっぱりやりすぎだよ。
まだあの写真について、ブレイン本人に話を聞いてもいな・・・!」
言い終わらないうちにキスされていた。
「・・・デイヴ・・・舌を入れていいんだよ。」って言われただけでイってしまった俺に、カートはまた仕掛けてきたわけだ。
キスするのをやめさせて、ちゃんと話合わないといけないとは思った。
でも・・・・カート・・・ものすごくうまい・・・ああ・・なんだよこれ・・・。
それは、バスルームへ行く前にした唇と唇とが触れあうだけのキスとは全然違う、
映画でしか見たことのないような熱いキスだった。
くそ・・・こんなキスされたら、またダメだって言えなく・・なっちまう・・・。
カートは俺の唇に自分の唇をエロティックに合わせた後、俺の上唇を舌先で何度か舐めた。
カートの柔らかい舌に背中がゾクゾクした。
俺は押しのけることもできず、突っ立ったまま動けなくなった。
下唇も小さく何度も舐められて、だんだん頭がぼーっとしてきた。
それからカートは、俺の唇を上下別々に優しく噛んでいった。
そしてまた唇を合わせると、唇と唇の隙間に舌を入れてきた。
俺の口の中をじっくり味わうようにカートの舌が動いた。
滑らかに、いやらしく、まるでそれ自身が生き物のように・・・。
その官能的な動きと感触に翻弄され、俺は声にならない声を出した。
唇が離れても、また捕まった。
俺はヒザからガクンと倒れそうになるほど熱いキスを何度も食らいながらも、崩れ落ちそうになるのをどうにかこらえた。
でも、何度目だかわからない長いキスが終わり、顔をゆっくり離していくカートの色っぽい目に俺は射抜かれ、足元から崩れてしまった。
無様な格好で座り込んだ俺をカートが見下ろしながら言った。
「デイヴ、僕たちの動画、撮っていいよね?
だめって言うなら今すぐ帰る。 ま、帰ってもデイヴとヤったってことにしとくけどね!
さ、どうする?
ヤる? ヤらない?」
もう、選択肢なんて無いも同然だった。
俺は、もうカートの奴隷だった。
俺はトランクス1枚のまま、ソファーに座らされた。
カートはカメラの方に行ってソファーに戻ってきた。録画が始まったようだ。
「さ、何からやる? デイヴ。 最初は・・・やっぱりキスからかな?」
ふとカメラの方に目をやると、レコーディング中の赤いランプが灯っていた。
隣に座ったカートは俺に手を伸ばし、さっきよりさらに色っぽくキスしてきた。
人に見せることを意識した極上のキス。
俳優だからこんなにうまいのか?
さっきのキスも立っていられないくらいすごかったっていうのに・・・ああ・・今度はそれ以上だ・・・・。
「・・・ん・・・んん・・・。」
もう、俺は完全にとろけてしまった。
唇が離れる時、チュっという音が響き、お互いに「はぁ・・。」と小さく息を吐いた。
そしてカートはまたキスしてきた。
何度も。 何度も。
俳優っていうことだけじゃ説明つかないキスのうまさ・・・。
まったく・・・どんな生活してんだよ、お前・・・。
頭の中に、ベッドでブレインと激しくキスするカートの姿が一瞬浮かび、妄想の中のブレインに激しく嫉妬した。
俺に繰り返し与えられる大胆で官能的なカートのキス。
言葉なんかじゃとても表現できない代物だった。
「ねえ、デイヴからもキスして。 キスって、二人でするものだよね?」
カートのねだるような声に従い、俺からもキスした。
ああ、まるで・・・麻薬みたいだ。
唇を離した瞬間、またキスしたくなるカートの唇。
俺は舌を入れ、柔らかい舌に俺の舌を絡めた。
舌を吸って、カートの唾液を呑み込んだ。
また絡めたい、また吸いたいと思わせる、可愛くていやらしい舌。
何度も何度も・・・何度もキスを繰り返していた。
「ふふ・・・。デイヴ、だんだんキスが上手になってきたんじゃない?」 カートが笑った。
そして、「ねぇ・・・そろそろ脱がせて。」と囁いた。
お互いに立ちあがり、カートのバスローブを取り去ると、カートは微笑んで、「どう?」と聞いてきた。
カートの美しい裸を見た感想は、さっきバスルームでも言ったはずだが、レコーディング中だから改めて言わせたかったのだろう。
俺は眩しすぎるカートの体からちょっと視線をそらして「きれいだ。」と言った。
「きれいだって思うのなら、僕をちゃんと見て・・・。」
裸のカートが甘い声を出した。
それから、俺の両肩を押してソファーに座らせると、カートは膝の上にまたがって両手を俺の首の後ろに回してきた。
「ふふ。デイヴの・・・またすっかり硬くなってるね。」
カートがいたずらっ子の目で言った。
「ここでちょっと何かしてからベッドに行ってもいいし、ベッドで最初からしてもいいよ。
どっちがいい?」
カートが俺をみつめながらささやいた。
カートは、『ソファーでの前戯+ベッドでの本番』という展開での撮影を期待していたのかもしれないが、カメラの前でやる『ソファーでの前戯』に何をしたらいいのか、気の利いた事を全く思いつかなかった俺は、とりあえずカートにキスして、そのまま押し倒した。
男二人が横になって使うには、ソファーは少し小さかった。
「ん~。ここじゃ、ちょっと狭いかも・・・。抱っこして広いところに連れてって。」
カートはベッドの方を視線で指して言った。
カートに言われるまま、お姫様抱っこしてベッドに連れて行った。
カートは俺のトランクスに手をかけ、ベッドの上で脱がせた。
カートが裸でベッドの上にいるだけで鼻血が出そうなのに、下着を脱がされ、録画中という事実・・・。
もうどうにでもなれ、という気持ちでカートを再び押し倒し、体の上に乗った。
カートと目が合った。
美しい瞳はちょっと潤んでいるように見え、ますます美しく輝いていた。
「きれいだよ。カート。」
俺はそう言って顔じゅうにキスをした。
唇にまともにキスしたら、また夢中になってなかなか終われなくなってしまうと思ったので、唇には啄むような軽いキスを何度か落とし、とっとと先に進むことにした。
「もしイヤだったら、遠慮なく言えよ。」
そうカートに言ってから、首筋にキスして、舐めはじめた。
今まで視線を向けることすらはばかられたカートの美しいうなじ。
その色っぽさに興奮してしまい、馬鹿みたいに舐めまくった。
「ん・・・はぁ・・・デイヴ・・・・・。」
カートが甘い声を出した。
カートの声にあおられ、さらに興奮した。
ああ、もっと・・・もっとカートを味わいたい・・・。
俺は舌を少しずつ下へ移動させていった。
肩、鎖骨、そしてもっと下へ・・・キスして、思いきり舐めながら、下へ進んでいった。
カートの白い肌がほんのり赤くなってきた。
俺はカートの乳首に到達すると、乳首全体に舌を這わせてから、いろんな風に何度も舐めた。
外側も中心も・・・。
乳首の中心を舌先を使って掘るように責めると、カートは悶えながら俺の髪をつかんだ。
「ああ・・あ・・・ん・・・。」
なんてかわいくてエロい声を出すんだろう?
俺は、せめるのをやめず、円を描くように舌を回して舐めたり、乳首を吸ったり、甘噛みしたりして、カートをますます喘がせた。
「なんてきれいな乳首なんだよ。 本当に食っちまいたいくらいだ・・・。」
「いいよ・・・デイヴ・・・。あ・・ああ・・・・・食べて・・・。」
今まで何度、カートとこうすることを妄想してきたことか。
夢にまで見たこの状況に、我を忘れ、夢中になった。
両方の乳首を十分堪能した後、キスしながらさらに下の方に顔を動かしていった。
目の前にあるカートのペニスはすっかり立ち上がっていた。
こんなに美しい体を好きにしていいなんて・・・。
カートの表情をよく見たくて俺は一旦顔をあげた。
カートは、とろんとした目で俺をみると、「デイヴって・・・すごく上手なんだね・・・。」と言った。
カートに褒められ、俺はちょっと上ずった声で言った。
「カート。 今から、もっと気持ちいいことしてあげるからな・・・。」
カートの体は俺からの刺激を待っていた。
もうすっかり反りあがり、先端につゆを光らせたカートのペニスをつかみ、先の方を舐めた。
舐めながら視線をカートの顔の方に向けてみたが、このままだとお互いの顔がちゃんと見えないことに気がついた。
俺はソファーからクッションを二つ持ってきた。
一つは枕と重ねてカートの頭の位置を高くし、『自分がされていること』をカートがよく見えるようにしてやった。
これで俺の方からもカートの表情がよく見えるようになった。
もう一つのクッションは、カートの尻の下に敷いた。
これでどこでも舐めやすいし、入れやすい。
「ねぇ、デイヴ。早くぅ。」
カートが甘えた声を出した。
俺を求めるカートの色っぽい声を聞いて、俺は理性を失った。
動物になってカートのペニスを舐めあげ、しゃぶった。
「あ・・あっ・・ああ・・・・・」
湿ったいやらしい音と、カートの喘ぐ声だけが部屋を支配した。
恥ずかしいなんて気持ちや、こんなことしてはいけないなんて気持ちは、もうどこかへ行ってしまった。
カートのペニスを舐めて、吸って、しごいた。
内股にも袋にも思いきり触って、舐めあげて、キスした。
カートは何度もセクシーな声をあげ、俺の肩や背中に爪を立てて身をよじらせた。
カートのはぁはぁという吐息と、せつなく喘ぐ高い声、
それから「デイヴ・・・もっと・・・」と懇願する声に俺のペニスはガチガチになっていた。
カートのペニスを緩急つけながら口でしごいてやると、カートはこらえ切れなくなって顔を歪ませ、「デイヴ・・・もう・・イきそう・・・」と切ない声をあげた。
俺はかまわず、そのまま口でしごき続けた。
「ああ!!」という声とともにカートは熱いものを俺の口に放出した。
カートの味が口の中に広がり、俺は、迷わず飲み干した。
「ごめん・・デイヴ・・・飲んだの?」とカートが乱れた呼吸のまま聞いてきた。
「ああ。 俺な、カートの飲んでみたかったんだ。」そう俺が答えると
「デイヴ、無理しなくてよかったのに・・・。」と、カートは赤い顔して言った。
「カートを喘がせてイかせるのが夢だったんだ。
お前のを飲めるなんて・・・本当にうれしいよ。」
俺が本心を言っていることが伝わったらしく、カートは目を潤ませ、体を起して俺を抱きしめた。
しっかり抱き合った後、カートは言った。
「じゃあデイヴ・・・もっと喘がせて!」
俺は再びカートを仰向けに寝かせて、両膝の裏に手を入れ、そのまま頭の方に持ち上げて開いた。
まじまじとカートの蕾を眺めた。
美しいと思った。
でも、せっかくカートから許されたというのに、いざ突っ込むって時になって俺はひるんだ。
カートの幸せを壊してしまう・・・。 そう思ったんだ。
カートはブレインを心から愛している。嫉妬に狂い、俺に体を投げ出すほど。
俺はこの10年、二人を見てきた。
ブレインに何があったのかわからないが、カートとブレインは、本当に愛し合っているはずだ。
・・・これ以上は進めない。 進んじゃいけない・・・。
「カート・・・。やっぱり、この一線だけは越えられないよ。
ここまでやっといて申し訳ないけど、もう俺、これ以上はできねえ。
お前も変な意地張って、無理するなよ。
録画なんてやめて、ブレインに連絡とれよ。
あの画像の件、ちゃんと話しろよ。」
カートにそう言い終えた瞬間、カートの平手が飛んできた。
バシッという音が自分の頬からダイレクトに聞こえた。
「何言ってんだよ!!デイヴの意気地なし!! デイヴがヤれないなら、僕が!」
俺より体格では劣るはずのカートが何をどうしたというのだろう?
俺はあっという間にベッドの上に仰向けにされていた。
カートは俺の張りつめてるモノをつかむと、またがって自分の中に入れようとした。
ジェルも唾液も塗られていなければ、まだ全くほぐされてもいない入口は、当然のことながら受け入れようとしなかった。
「よせ! やめろカート!! 無理するとお前ケガするぞ!」俺は怒鳴った。
それでも腰を落として何とか俺のを入れようとするカートを、俺は起き上がって抱きしめた。
「わかった、わかった。 悔しかったんだな。ブレインに浮気されて。
でも、これ以上の仕返しはやめとけ。この一線だけは越えちゃだめだ。
お前が本当にブレインを好きなら、別れたくないなら、ここが潮時だ。
な? もう充分だろう?」
カートが赤い顔して涙を浮かべたまま怒っていた。
ブレインに対する怒りなのか、ここから先に進めないって言った意気地無しの俺に怒っているのか、その両方なのか・・・俺は、カートが落ち着くまで抱きしめていた。
録画を停止し、ダイエットコークを飲んで、一緒にシャワーを浴びた。
それからシーツを取り換え、ベッドの上でゆったりと抱き合った。
「ああ、デイヴに思いっきり突き上げられてるところ、録画したかったなぁ!」
カートはそう言って笑った後、
「デイヴ・・・いろいろありがとう。 なんだかね、すごくすっきりしたよ!
どんでもないお願い聞いてくれて、それから、僕のことを思って叱ってくれて・・・うれしかったよ。」と言った。
「そうか。 お前の裸を拝めて、体に触れられて、俺もうれしかった。
すごく、ドキドキしたよ。
浮気してくれたブレインに感謝したいくらいだ。」
「浮気したブレインに感謝ですとぉ?」
カートは、俺の頬をグイグイとつねった。
「なぁ、カート・・・もう気が済んだよな?
これで、ブレインと普通の顔して会えるよな?」俺がそう言うと、
「・・・うーん・・・そうだね・・・。」とカートは答えて、それから、
「・・・デイヴはさ、今まで・・・僕を無理やり押し倒そうとか、画策してブレインから僕を奪おうって思った事、無かったの?」と聞いてきた。
「カート、それはないよ。
だって、お前が幸せでいてくれることが、俺にとって一番うれしいことなんだ。
お前はブレイン・アンダーソンを死ぬほど愛してるだろう?ブレインだってきっとそうさ。
だったら俺は見守るだけだ。 ずっとそう思ってきた。」俺はそう答え、話を続けた。
「まぁ・・・今回のブレインとセバスチャンとのことは、きっと何か・・・事故みたいなもんだったんだろう・・・。
お前だって心の底ではわかってるだろう?
ブレインがお前を本当に愛してるってことをさ。」
カートは、ちょっとしぶい顔して「まあね。」と言った。
「だったら、セバスチャンが送ってきたものなんて忘れろ。
ブレインの前でも何事も無かったふりしろよ。
お前も仕返しした気分を味わえて、すっきりしただろう?
もう、それでチャラにしろよ。」俺がそう言うと、カートは
「うん。わかったよ。デイヴ。」と素直に言って、甘えるようにゆるく俺に抱きつき、目を閉じた。
寝息をたてはじめたカートのかわいい顔を見て、俺は一晩で一生分の幸せを味わった気がした。
式当日は、素晴らしい天気に恵まれた。
カートとブレインのガーデンウエディングは、家族と親しい友人のみが見守る、心温まるものだった。
どこで情報を得たのか、外にはパパラッチやファンが大勢つめかけていたが、警備員によって完全にシャットアウトされていた。
カート同様、ブレインもテレビや映画、舞台で大活躍していた。
高校時代もかっこよかったブレインは、大人になってさらに男っぷりが上がり、女性ファンはもとより、世界一有名なゲイサイトでも、何年も人気ナンバーワンだった。
かっこいい男の役も完璧に演じられるうえに、「きれい」とか「かわいい」なんていう表現も似合う美しいカートと、男の中の男って感じの力強くセクシーなブレイン。
新郎二人はとても輝いていて、幸せそうだった。
フィンが満面の笑みでカートを抱きしめ、キャロルとブレインも抱き合って喜びを表していた。
バートが涙をこぼし、何か一言二言いって、カートを抱きしめた。
俺は、悪友サンタナやブリトニーと一緒にブレインとカートのもとへ行き、祝福の言葉を贈った。
「カートを幸せにしろよ!」そう言ってブレインと握手したとき、「痛いよ、デイヴ!!」とブレインが顔をしかめた。
誘惑されたのか酔っていたのか知らないが、セバスチャンとあんなことしてカートを泣かせやがって!と思ったら、思いっきり手に力が入ってしまったようだ。
カートとはハグして、
「俺の長い初恋も、これで終わっちまったな。・・・ブレインに幸せにしてもらえよ!」
そう言ってカートの背中をたたいた。
「何言ってんだよ、デイヴ。僕がブレインを幸せにしてやるんだよ!」カートは笑った。
カートとブレインが並んで立っていると、本当にベストカップルって感じがした。
高校の時からずっと似合いの二人だもんな・・・。
ここまでしっくりくるカップルはそうそういないんじゃないかと思った。
カートとブレインは、行く先々でおめでとうの言葉やハグやキスをもらって、とても幸せそうだった。
(カート、幸せになれよ・・・。)
レイチェルとメルセデスから両頬にキスをされ、笑顔をみせるカートを見ていたとき、
「よお! デイヴ!!」と、ふいに肩をたたかれた。
「セバスチャン・・・!」
そう言ったっきり、言葉が出てこなかった。
「式に遅れるなんて、サイテーだよな? もう、ホントにまいったよ!
乗るはずの飛行機がエンジントラブルで飛ばなくてさ・・・。」
俺はまじまじとセバスチャンをみた。
セバスチャンと俺、カート、ブレインは、友達同士・・・のはずだった。
でも、俺は知ってしまったんだ。 こいつがブレインと何をしたかを・・・。
「じゃ、俺、ブレインとカートに遅れた詫び入れてくる!」
そう言ってセバスチャンは二人のもとへ歩いて行った。
カート・・・セバスチャンと会って、大丈夫かな?
俺は心配したが、カートはいつもどおりの笑顔をみせ、セバスチャンと話していた。
さすが、役者だ。 心の中では「コイツ、ぶん殴ってやりたい!」と思ってるはずなのに・・・。
ブレインも役者だな。いつもみたいにセバスチャンと接してやがる・・・。
ブレインのセバスチャンを見る目は本当にいつもどおりで、「関係した」なんて思えないくらいだった。
セバスチャンはカートやブレインほどの大スターではないものの、TVドラマのレギュラーの座をつかみ、役者として知られるようになっていた。
俳優が3人・・・さすがだ・・・誰一人おくびにも出さないな・・・。
俺は変なところに感心していた。
セバスチャンは、ブレインの肩をバシバシたたき、カートを思いっきり抱きしめて、俺のところに戻ってきた。
「デイヴ、ココが終わったら、なんか予定あるか?」セバスチャンが聞いてきた。
「友達の結婚式の日に他の予定なんて入れてないよ。」俺がそう答えると、
「じゃ、終わったら一緒に俺の家に来いよ。ちょっとお前に話があるんだ。」とセバスチャンは言った。
「そうか、ちょうどよかった。 実は俺もお前に話があるんだ。」
俺はセバスチャンに対する怒りを抑えながら答えた。
久々にセバスチャンのバカでかい家を訪れた。
コーヒーを飲み、高そうなケーキを食いながら、どう切り出そうかと考えていた。
ブレインとあんなことしただけでなく、カートに写真まで送りつけるなんて、一体どういう了見だ?とケーキを食い終わったら問い詰めるつもりでいた。
だが、先に口火を切ったのは、セバスチャンだった。
「デイヴ、カートはどうだった?」
「どうって? お前も見ただろ? そこいらの女優よりキレイだったよな。 輝いてた。」
「いいや、今日の話じゃなくて、おとといの、お前んちに行った時のカートはどうだったんだって聞いてんだよ。」
「・・・・・・何の話だ?」
俺は動揺し、手に持っていたコーヒーをこぼしそうになった。
ブレインと寝たセバスチャンを責めようと思っていたのに、カートが俺のところへ来たことを知っているような口ぶりに驚いた。
「ブレインに浮気されて怒り狂ったカートを抱いたんだろ?
カートの体はよかったかって聞いてんだよ。」
俺は思わず立ち上がった。
「お前・・・。」
「まあ、座れ。そのことでお前と話したかったんだ。
落ち着いて、俺の話を聞いてくれないか。」
「お前のところにカートが泣きついていったのは、知ってる。
俺からとんでもない写真送りつけられて、お前に見せに行っただろ?
ただでさえ情緒不安定な結婚直前に、あの浮気写真。
カートは、あの性格だもんな・・・。
荒れただろうな~。」
セバスチャンは、笑いながら、俺に話し始めた。
「てめー、人の婚約者と寝ておいて、なんだその言い草は!
カートもブレインも、お前の友達じゃなかったのかよ!」
「そうだ。
だからこそ、あの写真を送ったんだ。」
俺はセバスチャンが何を言いいたいのかさっぱりわからなかった。
それから、セバスチャンは俺に全て話してくれた。 包み隠さず・・・。
もともとズバズバとものを言う性格だから、その話は、非常に分かりやすかった。
結論から言えば、今回の件は、全部俺のせいだった。
高校時代、俺が自殺を図ったことを、カートはずっと気にしていたそうだ。
気にすると言っても、それがはっきりと表に出ることはなく、周りは全く気がつかなかった。
しかし、カートは心の奥底で、ずっと自分を許せないでいた。
『デイヴからのメールを読んで電話にも出ていれば、デイヴはあの時、自殺しようなんて思わなかったんじゃないだろうか。』
カートはそう思っていたのだ。
10年前の自殺未遂の後だけじゃなく、今までずっとそうだったそうだ。
どんなにスラッシーをかけられ、ののしられても、カートにはglee部の仲間とカートを心から愛してくれる家族がいた。
仲間も家族もカートがゲイであることを受け入れ、いつもカートの味方でいてくれた。
でも、俺の場合は、ゲイであることがばれた途端、転校先の友達は全員敵になった。
親友だと思っていた奴からまでメールをよこすなと言われた。
俺はPCもチェックしたが、どこを見ても誹謗中傷の嵐だった。
家族ですらその時はまだ俺がゲイであることを受け入れてくれていなかった。
だから、カートは自分を責めた。
「僕には、助けてくれる仲間も心から受け入れてくれる家族もいた。
でも、デイヴが心の内を話せたのは、僕だけだったのに・・・。」
カートはそう思っていたようだ。
カートの心の奥底にあった罪悪感は、婚約発表の後ふくらみ、はっきりとした形になって表に出てくるようになったそうだ。
次第にカートは、俺がまた自殺しようとする夢にうなされるようになって、「僕だけ幸せになってごめんね・・・。」とか、「ブレインと別れるから死なないで・・・。」とか、挙句に「デイヴ、僕を抱いていいから、やめて・・・。」なんていう寝言まで、まるでちゃんと起きているかのようにはっきり口に出してはうなされ、泊りにきたブレインは困惑したそうだ。
カート本人は目覚めた後、いつもと変わらないようにふるまっていたようだが、ブレインは心の奥底で苦しんでいるカートに何をしてあげたらいいのか悩んだらしい。
あの自殺未遂以来、カートは友達になってくれ、いつも俺を励ましてくれた。
カートのおかげで元気になった俺は、俺を支えてくれたカートといつまでも友達でいて、カートに何かあった時には全力で支えてあげたいと思っていた。
カートの相談にのれるような、大きな男になりたかったから、俺なりに精いっぱい努力もしてきた。
あの日・・・自殺未遂後、病室に見舞いに来てくれたカートが、「10年後の自分を想像してごらん!」って言ってくれた。
目をつぶると、スポーツエージェントとして活躍し、事務所まで構えている俺が見えた。
大学卒業後、俺は頑張って本当にスポーツエージェントになり、事務所も持った。
しかし、夢に描いていた未来とは違う部分があった。
10年後の実際の俺には、あの時想像したような『ハンサムなパートナー』も『かわいい子供』もいなかった。
10年たっても、俺は、カートを想い続けたままだった。
カートを愛しているからこそ、他の誰よりもカートの幸せを願っているつもりだった。
でも、俺のそんな一方的な想いが、ずっとカートを苦しめていたなんて・・・。
ブレインはセバスチャンに言ったそうだ。
「デイヴがカートを好きな気持ちは変えられないだろう・・・。
でも、『デイヴを無視して自殺に追い込んでしまった』っていう罪悪感は、何とかして拭い去ってあげたいんだ。」と。
セバスチャンには、いくつか策が浮かんで、ブレインに話したそうだが、現実問題としては、どれもなかなかうまくいきそうになかった。
その中に突拍子もないものが一つあった。
「いっそデイヴにカートを抱かせてみたらどうだ?」
さすがにこれは、ブレインが怒りだすかと思いつつ、セバスチャンはヘラヘラ笑いながらそう言ったらしいが、しばらくの沈黙の後、ブレインは意外なことを言ったそうだ。
「セバスチャン、その案なら、デイヴもカートを吹っ切れるかもしれないね・・・。」と。
『友達ヅラしていつまでもつきまとうバカ野郎』に自分の婚約者を差し出すなんて、とんでもない案のはずだが、ブレインは「それ、ちょっと考えてみるよ。」と言ったそうだ。
いくらおおらかな性格のブレインでも、カートの体に自分以外の誰かが触れるなんてこと、とても許せないはずだ。
でも、結局、いくら考えても、二人には、それ以上にいい案は浮かんでこなかった。
最終的にブレインの背中を押したのは、悪夢にうなされるカートのつらそうな顔とその目に光る涙だったそうだ。
(このままではカートは、誰にも何も言わないまま、ずっと苦しみ続ける・・・。しかも、カートが幸せになればなるほど、その罪悪感は増していくんじゃないだろうか?)
そう思ったブレインは、セバスチャンといろいろ話し合い、あの写真を撮ったそうだ。
何もお膳立てがない無い状況でカートと俺をベッドインさせるなんて無理だ。
「デイヴのこと、ずっと気にしてるんだろう?僕は我慢するから抱かれに行ってきていいよ。」なんて突然カートに言えるわけがないし、もし率直にそう言えたとしても
「あ、そう?じゃ、デイヴに抱かれに行ってくるね!」なんてカートが言うわけもない。
俺だって、カートを差し出されて、「そういうことなら、遠慮なくいただきます!」なんて食えるわけがない。
カートにも、俺にも、そういうことをするための『ちゃんとした必然性』だとか『言い訳』だとかいったものが必要だとブレインは思ったそうだ。
それで、色々考えて、結局セバスチャンに頼んで、例の浮気写真をブレインは撮った。
写真を送ってカートを怒らせ、深層心理では「デイヴに抱かれて許されたい」って思っているカートを俺のもとへ向かわせるために・・・。
そのために、浮気かどうかわからないような中途半端なものでなく、誰がどう見ても浮気だとわかるリアルな写真を撮ったのだそうだ。
セックスしているように見えた写真は、実は、ただ単に体を重ねただけのもので、ブレインはセバスチャンの「中」には入れていなかったらしい。
ただ、カートにヤっているところだと信じ込ませるために、ちゃんと全裸になって体を密着させたそうだ。
『顔だけブレインとセバスチャンで、体はゲイポルノの俳優』なんて合成写真は、カートには一発で見破られてしまうだろうから、本気で取り組んだそうだ。
問題はブロージョブの写真で、そうやっているように見せるために、いろいろ道具を使ったり、角度を変えたりして写真を撮ってみたものの、結局上手くいかず、ブレインは仕方なく本当に咥えてしまったそうだ。セバスチャンのを!!
「ケッサクだったぜ! もちろん咥えてる写真撮ることが目的だからさ、しごいてイかせてくれたってわけじゃないけど、『ダルトンの伝説』に咥えられて、大興奮したぜ!!」
セバスチャンは話しながら、笑っていた。
セバスチャンがブレインに協力したのは、カートと友達だからカートを救いたいっていう気持ちもモチロンあったそうだが、一番の理由は、『ブレインを助けてあげたかったから』だそうだ。
カートが苦しむ姿をみて心を痛めているブレインを救いたかったそうだ。
「それにさ、俺、ずっとヤりたかったんだよ。ブレインと。
今まで付き合った男はいたけど、お前も知ってのとおり、長続きなんてしなかった。
だって、俺は、高校の頃からずっとブレイン・アンダーソン一筋だからな。」
高校時代、セバスチャンがブレインを好きだったことは、俺ももちろん知っていた。
好きすぎてやらかした悪事の数々も。
でも、その後恋人を作っては別れ、作っては別れていた「恋多き男」セバスチャンが、まさか本当はずっとブレインを想い続けていたなんて!!
俺は信じられない気持だった。
「10年だよ。
カート一筋で俺にキスのひとつもくれないような男のことを、10年も想い続てたなんて・・・本当に俺、バカだよな。
今まで隠してたけどな、俺はお前に負けないくらい大バカなんだよ。」
そう言って、セバスチャンはまた笑った。
「デイヴ、今日、俺たち二人とも本当の意味で失恋したんだよな。
そりゃー、今までも失恋状態だったわけだけど、なんせ奴らは結婚したわけだもんな・・・。
もう完全にTHE ENDだよな。」
そう言いながら、セバスチャンは、やれやれと言うように両手を広げた。
「セバスチャン、俺は、初恋には一応終止符を打ったけど、やはりカートのことはどうしようもなく好きだ。
あ、これじゃ、終止符を打ったってことにならないか・・・。
でも、もう、今までの俺とはちょっと違うんだ。
カートがブレインといつか離婚して俺の方を向いてくれるんじゃないかなんて淡い期待は、しないつもりだ。
代わりに、これからはこそこそせずに、胸を張ってカートを応援していこうと思うんだ・・・。
芸能人であるカートのファンとして・・・それから友達としてもな。」
「お前、どこまでお人好しなんだよ!!」セバスチャンは、俺が言った事を聞いて、げらげら笑った。
「ああ、おかしい!!
そうだな、俺もブレインをずっと応援するよ。
俳優としていいライバルになれるよう、がんばるよ。
いつか共演して、濃厚なベッドシーンなんかできたら最高だな。」
セバスチャンはそう言ってまた笑ったあと、俺の目を覗き込んで
「で、カートと寝てみて、どうだったんだ?」と、にやにやしながら聞いてきた。
「バカヤロー!カートとできるかよ!
結婚直前のカートと最後までするわけねーだろう!!」
そう言って俺が怒ると
「あー、おもしれー! お前、最高だな!!」と言ってセバスチャンは肩を震わせた。
そして「なら、どこまでやったんだ?」とまた聞かれ、俺は顔が赤くなってしまった。
「もう帰る!」と言って立ちあがった俺の腕をセバスチャンがつかんで、
「まぁ、そう怒るなよ。」と言って座らせた。
「なぁ・・・俺達、同志みたいだって思わないか?
同じ奴を10年も、しかも片思いのまま思い続けられるゲイなんて、きっと俺達ぐらいじゃないか?
デイヴ、今度、一緒に酒飲もうぜ。
よく考えたら、お前と二人だけで飲んだことってなかったよな?」
セバスチャンは俺の都合も聞かずに勝手に飲み会の日時と店を決め、お抱えの運転手に俺を送らせた。
それから俺たちは、よく二人で「同志の会」をやるようになった。
飲みに行って明け方までうだうだしゃべったり、ゲイバーに行ってイイ男ウォッチングしたり、カートやブレインの出てる映画を観に行ったり、カラオケに行ってマイクを取り合ったり、うまいと評判の店に行って料理を酷評したり・・・。
飲んで、しゃべって、笑って、歌って・・・。
そうしている間に、俺にはセバスチャンという男が本当によくわかるようになってきた。
口の悪さで隠した、善良さ。 虚勢を張るくせに繊細で気弱なところ。
愛するものや信じることのためなら、どんな犠牲を払っても突き進む一途なところ・・・。
知れば知るほど、セバスチャンは奥深くて、魅力的な男だった。
二人で過ごす時間はすごく楽しくて、いつの間にか、俺はカートのことを考えなくなっていた。
やがて、俺たちは、付き合うようになった。
「おめでとう!!」
「デイヴ、おめでとう!!」
「幸せになれよ!!」
白いタキシードを着た俺は、友達からの祝福を受けていた。
カート、ブレイン、レイチェル、フィンをはじめ、当時マッキンリーのglee部にいた連中が全員来てくれた。
まさか自分にこんな晴れがましい日が来るなんて思いもしなかった。
今日から俺の夫となる男と一緒に会場をまわり、友人一人一人と握手したり、ハグしたりして、喜びをかみしめた。
親戚で来てくれたのは、5人。
両親の身内10名ほどに招待状を送ったが、半数は理由をつけてこなかった。
ゲイ婚なのだから、こんなもんだろうと俺は思った。
俺の夫となるのは、モチロン、もと友人で、俳優で、とんでもない策士のセバスチャン・スマイスだ。
まさかセバスチャンと結婚することになるなんて・・・。
このことをカートの結婚式に出席してる3年前の自分に話しても、絶対に信じないだろう。
付き合いだして最初のバレンタインに、セバスチャンはダイヤの埋め込まれたプラチナの指輪を俺に差し出した。
セバスチャンは、その指輪を俺の薬指に勝手にはめて、「テレビか映画で主役に選ばれたらちゃんとプロポーズするから覚えとけよ!」と言った。
セバスチャンがテレビで主役の熱血弁護士をやることが決まると、さらに大きなダイヤのついたエンゲージリングを反対の手の薬指にはめられ、今日に至った。
ブレインとセバスチャンの例の写真の秘密をまだカートは知らないらしい。
新婚旅行から帰ってお土産を渡すときに、3年前の真相をカートに教えてあげよう。
カートを悪夢から救い出すために、ブレインがどんなことをし、また、どんな想いでカートを俺の家に行くように仕向けたのかを。
そして、セバスチャンから聞いた、「カートがデイヴの家にいる間、ブレインのヤロウ泣きながら飲んだくれて大変だったんだぜ!」っていう話や、俺の生涯の伴侶がどんな悪役も演じきれるいい男だってこともな。
話したら、きっとカートは、「あの時君と一線を越えなくて本当によかった・・・。」って胸をなでおろすだろうな。
それからまたブレインにほれなおすかな?
招待客から祝福を受けながら、俺はセバスチャンと手をつないでテーブルを回った。
セバスチャンの家があまりにも金持だったために、ゴージャスな式となり、これが本当に自分の結婚式なのかと信じられない気もしたが、とにかく俺は幸せだった。
一年新婚生活を楽しんだら、養子をもらおうと俺たちは決めている。
ああ、これで、俺の夢が全部叶うな・・・。
その子が大人になった時に、「パパたちはどうやって付き合うようになったの?」って聞かれたら、なんて答えよう?
そんなことを考えながらにやにやしていたら、手をつないでいたセバスチャンが俺にキスしてきた。
「新婚初夜のお楽しみは、お前とカートの動画で決まりだな!」
セバスチャンはそう言ってニヤリと笑った。
(おしまい)